相手のことは大好きなのに、
なぜか胸の奥に不安が広がっていく。
LINEの返信が少し遅いだけで、
「嫌われたのかな」と考えてしまったり、
一緒にいない時間には、
「他の誰かと楽しく過ごしているのかも?」
なんて勝手に疑ってしまったり。
大好きなのに不安になる。
この矛盾した感情に振り回されて、
自分はおかしいのではないかと、
自分を責めてしまう人も少なくありません。
恋を楽しむはずが、
悲しさや苦しさばかりが募っていくのは、
とてもつらいことですよね。
このコラムは、そんなふうに、
恋愛で心が疲れてしまったあなたの、
心を軽くするお手伝いのために書くものです。
なぜ大好きなのに不安になってしまうのか、
そのとき心の中で起きている、
心理的な背景をやさしく紐解きながら、
波立つ感情を少しずつ落ち着かせるための、
小さなヒントをお伝えします。
今のあなたの不安は、
決して「変なこと」ではありません。
まずは、無理に前向きになろうとせず、
自分の心を見つめる時間を作ってみませんか。
好きなのに不安になるのは、決しておかしいことではありません
相手のことが好きなのに、
どうしようもない不安に襲われる。
そんな自分に対して「重い人間だ」とか、
「恋愛に向いていない」と、
自分でレッテルを貼ってしまっていませんか。
不安を感じることは、あなたが相手を、
ちゃんと大切に想っている証拠です。
「どうでもいい」と思っている相手に対して、
人は不安を抱きません。
失いたくないという強い願いがあるからこそ、
それが叶わなかったときのことを想像して、
イメージ先行で怖くなってしまうのです。
そうして不安になる自分を否定せずに、
「それだけ相手のことが好き」なんだと、
まずは自分の気持ちを受け止めてあげてください。
不安を抱えること自体は、
決して悪いことでも、おかしなことでもないのです。
なぜ不安になるの?心の中で起きていること
では、どうして「好き」という感情の裏側に、
これほど強い不安が影を落とすのでしょうか。
心の中でどのようなことが起きているのかを、
いくつかの視点から整理してみましょう。
「失うこと」への強い恐れ
関係や愛情が深まれば深まるほど、
その関係が終わってしまったときの喪失感は、
比例して大きくなります。
人間の脳は、自分を守るために、
「最悪の事態」を予測するようにできています。
相手を好きになればなるほど、脳は、
「この人を失ったらとても傷つくから気をつけて」
と、アラートを鳴らします。
これが、理由のない不安や焦りとして現れるのです。
自己肯定感の揺らぎ
恋愛関係は、自分の存在価値を、
鏡のように映し出すことがあります。
「こんな私を、本当にずっと好きでいてくれる?」
「もっと魅力的な人がいたら、取られちゃう」
そんなふうに、自分自身の価値を信じきれないとき、
相手の愛情を常に確認したくなってしまいます。
相手の言動ひとつひとつに一喜一憂してしまうのは、
自信のなさが不安に変わってしまっている、
そんなサインが出ているかもしれません。
心理学から見る「不安型愛着スタイル」
心理学の分野では、
人が他者とどのように絆を結ぶかを示す、
「愛着スタイル」という考え方があります。
その中に「不安型」と呼ばれる傾向があります。
子どもの頃に親や養育者から、
ある時はとても可愛がられ、
ある時は冷たくされるといった、
「不安定な関わり」を受けて育ったり、
過去の恋愛で深く傷つく経験をしたりすると、
この傾向が強くなると言われています。
不安型愛着スタイルの人は、
相手と親密になればなるほど。
「いつか見捨てられるのではないか?」
という恐怖を抱きやすくなります。
そのために、無意識のうちに、
相手の愛情を試すような行動(試し行動)をとってしまったり、過度な連絡を求めてしまったりします。
これもまた、あなたの性格が悪いからではなく、
心が過去の経験から学習して、
自分を守ろうとしている自己防衛の反応なのです。
不安な気持ちが暴走しそうなときの対処法
好きな人の言動が気になったり、
考えすぎてしまったりするとき、その感情の波を、
無理に消そうとする必要はありません。
大切なのは、波に飲み込まれないように、
少しだけ心を休ませる方法を知っておくことです。
まずは「不安な自分」をそのまま受け止める
不安を感じたときに、
「また不安になってしまった」
「こんな自分はダメだ」と、
否定してしまわないようにしましょう。
感情は、否定すればするほど強く反発します。
「私、いま不安になってるんだ」
「相手の気持ちがわからなくて怖いんだな」と、
ただ静かにその気持ちを認めてあげてください。
言葉にして認識するだけでも、
心は少し落ち着きを取り戻します。
事実と想像を分けて考える
不安になっているとき、私たちの頭の中では、
「想像」が「事実」のように膨らんでいきます。
たとえば、
「LINEの返信が遅い」というのは事実ですが、
「それは私のことが嫌いになったから」
というのは想像ですよね。
不安で苦しくなったときは、
いま目の前にある「事実」と、
自分が作り出している「想像」を、
切り離して考える練習をしてみましょう。
返信が遅いのは事実だけど、
仕事が忙しいだけかもしれない。
いくつかの可能性として整理していくと、
極端な思い込みから少しだけ距離を置いて、
冷静になってみることができます。
「今日はここまで」と心に区切りをつける
夜遅くというのは、
とくに不安が大きくなりやすい時間帯です。
考えすぎてしまう夜は、
いくら答えを探しても良い方向には進みません。
そんなときは、「今日はここまで」と、
心に区切りをつけることを意識してみてください。
「これ以上考えるのは、明日の朝にしよう」と、
自分に優しく語りかけて、
その日の思考を一旦ストップさせるのです。
悩むこと自体を否定するのではなく、
ここまで悩んだのだから今日はもう終わり、
という考え方で、自分の一日を守るのです。
今日はここまで、と区切りをつけるための、
書いて消せるこのページを使ってみてください。

相手に気持ちを伝えるときの小さな工夫
自分の心の中で気持ちを整理しても、
どうしても相手に確認したいことや、
直してほしいことがあるかもしれません。
そんなときに、
関係を壊さずに自分の気持ちを伝えるには、
少しだけ伝え方の工夫が必要です。
「私」を主語にして伝える(アイメッセージ)
不安な気持ちを相手にぶつけるとき、
私たちは無意識に、
「あなた」を主語にしてしまいがちです。
「(あなたはどうして連絡をくれないの?」
「(あなたは)私のこと好きじゃないの?」
このような形で伝えると、
相手は責められているように感じて、
心を閉ざしてしまいます。
これを「私」を主語にした、
アイメッセージに変えてみましょう。
「連絡がないと(私は)少し寂しいな」
「最近会えていないから(私は)不安かも」
このようにして、
自分の素直な感情だけを伝えることで、
相手は攻撃されたと感じずに、
あなたの気持ちに寄り添いやすくなります。
感情をぶつけるのではなく、お願いをする
不安な気持ちを伝えるときは、
過去の不満を並べるのではなく、
「これからどうしてほしいか」という、
具体的なお願いに変換することが大切です。
「いつも私ばかり我慢している!」
と、怒ってしまうのではなくて、
「1日に1回はLINEのやり取りができると、すごく安心するから、そうしてくれない?」
と、具体的に提案してみましょう。
あなたがどうしたいのか、
そもそも相手がわかっていないこともあります。
相手をコントロールしようとするのではなく、
二人が心地よく過ごすためのヒントとして、
自分がどうしたいのかをきちんと伝えることが、
関係性を穏やかに深めていくコツです。
あなたの心を守るために、少しずつ休ませてあげよう
大好きなのに不安になるのは、
あなたがそれだけ真剣に相手を想って、
傷つくことを恐れているからです。
恋に正解はありませんが、一つだけ確かなことは、
あなた自身が壊れてしまうような恋の仕方は、
少しだけお休みが必要だということです。
考えすぎてしまう夜や、
言葉にできない気持ちがあるときは、
無理に相手の気持ちを探ろうとせず、
まずは自分自身の声に耳を傾けてみてください。
恋に疲れてしまったときには、
立ち止まっても大丈夫なんです。
まずは温かいお茶でも飲んで、
「今日はここまで」と言ってから、
あなたの心をゆっくり休ませてあげてください。

