何度もメッセージの画面を開いては閉じる。
相手からの返信が来るかもしれないと、
スマートフォンの通知音に心をすり減らす。
そんな、息をするのも苦しいような夜を、
あなたはいくつ越えてきたのでしょうか。
好きな人のために時間を調整して、
相手の好みに合わせて自分を変えて、
不機嫌な態度をとられても笑顔で受け止める。
あなたが今しているのは、
自分の心を削って相手に差し出すような、
とても痛みの伴う恋かもしれません。
どれだけ心から尽くしても、
どれだけ相手を思いやっても、
望むような愛情が返ってこないときには、
誰だって「自分には価値がないのかな」なんて、
とても深く傷ついてしまいます。
このコラムは、今、報われない恋の中にいて、
感情の身動きが取れなくなってしまっている、
そんな人のために書くものです。
正解を押し付けることはしません。
まずは少しだけ立ち止まって、
張り詰めた心の糸を緩めるために、
一緒に気持ちを整理してみませんか。
まずは、誰よりも頑張ってきた自分を褒めてあげてください
今のあなたは、相手の気持ちが手に入らないことで、
自分自身を責めてしまっているかもしれません。
「私の努力が足りないから」
「私の伝え方が悪かったから」
「私がもっと魅力的であれば」と、
すべての原因を自分の中に探していませんか。
どうか、自分を責めるのをやめてください。
そして、今日まで誰よりも頑張ってきた自分自身を、
めいっぱい褒めてあげてほしいのです。
きっとあなたは、本当に頑張ってきました。
相手の顔色をうかがいながら、
自分の本当の気持ちを後回しにしてまで、
相手を理解しようと努めたはずです。
嫌われないように、重たいと思われないように、
言いたいことを何度も飲み込んできたはずです。
相手の負担にならないように、
一人で寂しさに耐え抜いた夜も、
きっと数え切れないくらいあったでしょう。
それほどまでに誰かを深く愛して、
他人のために一生懸命になれることは、
決して誰にでもできることではありません。
あなたのその優しさと、痛みに耐え抜く強さは、
本当に美しくて、尊いものです。
あなたの努力が足りなかったから、
報われなかったわけではありません。
あなたは、本当によくやったはずです。
ただ、その愛情を受け取って、
同じように返してくれる器が、
今の相手には備わっていなかっただけなのです。
「私は私なりに、精一杯やったんだ」と、
まずは自分で認めてあげてください。
報われなかった結果だけを見て、
あなたの愛情や努力の価値まで否定する必要は、
どこにもないのです。
あなたは、もう十分に頑張りました。
まずはその事実を、
あなた自身が優しく抱きしめてあげてください。
なぜ「私ばかり」頑張ってしまうのか
恋をしているときには、自分自身の本音が、
自分でもわからなくなってしまうことがあります。
相手の気持ちを引くために始めた小さな我慢が、
いつの間にか当たり前になってしまうからです。
まずは、どうしてあなたが、
こんなにも頑張りすぎてしまうのか、
その心の動きをそっと紐解いてみましょう。
愛されるための努力が、いつしか苦しみに
私がもっと優しくすれば、
彼も振り向いてくれるかもしれない……。
私がわがままを言わなければ、
この関係はきっとうまくいくはず……。
あなたは心のどこかで、
そんなふうに感じていませんでしたか。
相手を思いやる気持ちは、
あなたの優しさそのものです。
しかし、その優しさが、
「愛されるための条件」になってしまうと、
恋はとたんに苦しいものに変わります。
「なにかをしてあげないと、愛してもらえない」
という不安が根底にある関係の中では、
どれだけ尽くしても安心することができません。
相手のちょっとしたそっけない態度や、
返信の遅さに心が乱されて、
さらに「もっと頑張らないといけない」と、
自分を追い込んでしまうのです。
無意識の「自己犠牲」に気づくこと
頑張っても報われない恋愛を続けていると、
「自分には価値がないから愛されないんだ」
と、思い込んでしまうことがあります。
心理学の世界でも、尽くしすぎる恋愛の背景には、
自己肯定感の揺らぎが隠れていることが多い、
と言われています。
相手に合わせることでしか、
自分の居場所を見つけられないと感じているとき、
私たちは無意識のうちに自己犠牲を払っています。
自分の好きなこと、自分の心地よいペース、
自分の本当の感情など。
それらをすべて見えない場所にしまって、
すべてを相手に差し出す恋は、
いつか必ず息苦しくなってしまいます。
あなたは、相手の人生の脇役になるために、
恋をしているわけではないのです。
そのことに、どうか気づいてあげてください。
なぜ「報われない」と感じているのに、離れられないのか
頭では「このままでは自分が壊れてしまう」、
「もう離れたほうがいい」とわかっているのに、
どうしても相手を手放すことができない。
それは、あなたが弱いからではありません。
心がどうしても執着してしまうのには、
ちゃんとした理由があります。
「サンクコスト効果」という言葉があります。
「あんなに時間も愛情も注いだんだから、ここで諦めたらすべてが無駄になる」と感じて、苦しいはずの関係を終わらせられなくなる心理状態のことです。
あなたが頑張れば頑張るほど、尽くせば尽くすほど、
この呪縛は強くなってしまいます。
さらに、相手がいつも冷たいわけではなく、
時折見せる優しさがあるのなら、
それはさらにあなたの心を揺さぶります。
ずっとそっけなかったのに、
ふと優しい言葉をかけられたり、頼られたりする。
このような「たまに与えられる報酬」は、
常に優しくされるよりも、人の心を強く結びつけ、
執着させてしまうことがわかっています。
あなたが離れられないのは、
(狙ったかはともかく)相手の言葉や態度によって、
心が支配されてしまっている状態だからです。
自分の意志が弱いから離れられないのだと、
自分を責める必要はありません。
人間の心は、そういう形にできているのです。
その仕組みに気づくことが、
苦しさから抜け出すための第一歩になります。
あなたの心が発している「SOS」
恋をしているときには、自分の本音が、
自分でもわからなくなってしまうことがあります。
相手の気持ちばかりを追いかけて、
自分の心が限界を迎えていることに、
ぎりぎりまで気づけないのです。
もしあなたが、以下のような状態にあるなら、
それは心が静かに悲鳴を上げているサインです。
連絡を待つだけで一日が終わってしまう
朝起きた瞬間からずっと、
スマートフォンの画面を確認して、
仕事中にも、食事中にも、
相手からの連絡がないかが頭から離れない。
返信が来ないことでひどく落ち込んで、
何も手につかなくなってしまう。
それは、あなたの生活の主導権が、
相手に渡ってしまっている状態です。
相手の言葉の裏ばかりを探してしまう
「あんな言い方するなんて、嫌われちゃった?」
「あのスタンプ、なんの意味?」。
相手の些細な言動に一喜一憂して、
常に相手の感情を読み取ろうと、
神経をすり減らしていませんか。
人の気持ちを知ろうとするのは、
とても暖かいコミュニケーションではありますが、
答えの出ない問いに向き合い続けることは、
心を深く消耗させてしまいます。
「私がもっと我慢すれば」と思ってしまう
理不尽な扱いを受けたり、
悲しい思いをさせられたりしても、
「私がもっと理解してあげれば」
「私が我慢すれば波風は立たない」と、
むりやり自分を納得させてしまう。
自分の感情を押し殺すことが癖になると、
自分が何に傷ついているのか、
何を悲しいと感じているのかすら、
麻痺してわからなくなってしまいます。
苦しい恋から、少しだけ自分を取り戻すための小さなステップ
相手の気持ちを変えることは、
その相手にしかできないことです。
しかし、自分の心を守って、
自分自身を取り戻すことは、
少しずつでも自分で始めることができます。
今すぐ忘れようとか、前向きになろうと、
むりに思い込む必要はありません。
心が疲れているときには、
小さな行動のヒントを試してみてください。
自分の気持ちを紙に書き出してみる
頭の中で考えているだけでは、
不安やモヤモヤはどんどん膨らんでしまいます。
誰にも見せないノートを用意して、
今素直に感じている気持ちを、
そのまま文字にしてみてください。
「寂しい」「連絡が来なくて悲しい」
「冷たくされて腹が立つ」。
どんなに真っ黒な感情でも構いません。
きれいな言葉でなくていいのです。
書き出すことで、自分の心の中にある痛みを、
少しだけ外側から客観的に、
見つめることができるようになります。
気持ちを書いて消すだけのページを、
このサイトの中にも用意してあります。
気持ちを書き出すための場所 – 恋、どう思う?
「今日はここまで」と心のスイッチを切る
夜、ベッドに入ってからも、
相手のことばかり考えてしまうときは、
自分の中でルールを決めてみましょう。
「このことについて悩むのは、今日はここまで」
そう声に出して言ってみるのです。
解決しない悩みを抱えたまま眠りにつくのは、
とても苦しいことですよね。
今日一日、相手のことで悩んだ自分を労わり、
「あとは明日の自分に任せよう」と、
心のスイッチを強制的に切って、
頭を休ませてあげてください。
「今日はここまで」と区切るためのページを、
このサイトの中にも用意してあります。
今日はここまでワーク – 恋、どう思う?
相手ではなく「自分はどうしたいか」を主語にする
これまでは「彼(彼女)はどう思っているか」
「相手にどう見られるか」ばかりを、
あなたは考えてきたかもしれません。
今日からは、少しずつ、
「私」を主語にする練習をしてみませんか。
「私は、本当はどんな恋がしたいんだろう」
「私は、どう扱われたいんだろう」
あなたが望む幸せは、常に不安におびえて、
自分を削り続けるような関係ではないはずです。
自分の本音に耳を傾ける時間を、
ほんの少しずつでも増やしてみてください。
あなたの愛情は、あなた自身を温めるために使っていい
相手を想い続けた日々も、流した涙も、
決して無駄なものではありません。
あなたがそれほど深く人を愛せたという事実は、
あなた自身の豊かな感受性と、
あたたかな心を持っていることの証明です。
しかし、愛を注いでもこぼれ落ちてしまって、
つらい時間を過ごさなければならないのなら、
今はその愛を、あなた自身に注いでみませんか。
美味しいお茶を淹れてみる。
好きな香りの入浴剤で体を温める。
ずっと欲しかったものを自分にプレゼントする。
相手のために使っていた時間とエネルギーを、
ほんの少しだけでいいのです、
自分を大切にするために使ってみてください。
あなたは、大切にされるべき人です。
報われない恋に疲れ果てた夜は、
無理に答えを出さなくても大丈夫です。
ただ静かに目を閉じて、
頑張りすぎた心を休めてください。
あなたがしっかりと受け止められて、
自分のために微笑める日が来ることを、
私は心から願っています。


