恋をしていると、ふとした瞬間に、
どうしようもない不安に包まれるときがあります。
「好きな人の好みのタイプと、自分がぜんぜん違う」
「自分の顔や容姿に、どうしても自信が持てない」
そう思って鏡を見るたびに、
ため息をついてしまったり。
相手の何気ない言葉に、
ひどく傷ついてしまったり。
好きという気持ちが大きくなればなるほど、
自分の足りないところばかりが目について、
苦しくなってしまうのは、
決してあなただけではありません。
このコラムは、
「恋する自分に自信がないとき」
というシリーズの、連続3コラムの1つ目です。
今回は「顔の好み」や、
「タイプ」に対する不安について、
静かに向き合いながら、
気持ちを整理していくためのお手伝いをします。
世の中には、
「好きな人に好かれるための努力」を、
促す言葉があふれています。
でも、そんなことを言われるまでもなく、
いまのあなたは、
きっともう十分に頑張っているはずです。
無理に自信を持とうとしたり、
相手の好みだけに合わせて、
自分を削ったりする必要はありません。
あなたがあなたのままで、
少しだけ心を休めて、
やさしい気持ちで恋と向き合える。
そんなふうに考えるためのヒントを、
一緒に探していきましょう。
どうして「自分の顔」や「タイプ」に自信がなくなるのでしょう
恋の中で、私たちはなぜこんなにも、
自分の容姿や魅力に対して、
臆病になってしまうのでしょうか。
不安がどこから来ているのかを、
まずはやさしく見つめてみます。
この理由を知るだけでも、
張り詰めていた心が、
少しだけ解けてゆくことがあります。
恋の中では自分を厳しく見てしまうから
好きな人のことは、
何もかもがまぶしくて、
完璧な存在のように見えてしまうものです。
相手が輝いて見える分だけ、
その光に照らされた自分の影が、
ひどく濃く感じられてしまいます。
「あんなに素敵な人が、私なんかに振り向くはずがない」
「もっと可愛かったら、もっときれいだったら」
そんなふうに自分を責めてしまうのは、
あなたが自分に対して、
世界中の誰よりも厳しい評価を下しているからです。
恋をしているときの心はとても敏感で、
少しでも相手にふさわしくありたいと願うあまり、
自分の欠点ばかりを無理やりにでも、
覗き込むような状態になってしまいます。
他の人であれば思わないようなことまでも、
自分の中でだけは思ってしまう。
好きな人を思うあまりの厳しすぎる向上心が、
自分に対してばかり働いて、
際限なく判断基準を高くしてしまっているのです。
そうなってしまうのはきっと、
「自分が隣にいる相手」を思ってですから、
自分に対して自信がなくなるのは、
あなたがその恋の相手のことを、
それだけ真剣に想っている証拠でもあります。
「好みのタイプ=絶対の正解」だと思い込んでしまうから
好きな人が
「こういう顔の人が好き」とか、
「こんなタイプがいい」
と、言っていたのを聞いて、
落ち込んでしまった経験はないでしょうか。
自分がその条件に当てはまっていないと、
「もう絶対に好きになってもらえない」
と、絶望的な気持ちになるかもしれません。
でも実際のところ、
人が言葉にする「好みのタイプ」というのは、
それほど絶対的なものではありません。
人は、頭で考えている理想と、
実際に心が惹かれる相手が、
全く違うということがよくあります。
「好みのタイプ」というのは、
あくまでその人が過去にいいなと思った傾向や、
なんとなく想像しているイメージに過ぎません。
周りのカップルを見ているときに、
あの子、前に言ってた好みと全然違う人と一緒になってるじゃん、
なんてことがあるのではないでしょうか。
実際にはそんな感じなのに、
恋の中で不安になってしまっている心が、
自分の恋についてだけは、
「タイプ」という言葉を「絶対の正解」であり、
「合格基準」だと思い込んでしまうのです。
外見に対する評価の波に疲れてしまっているから
私たちは普段から、無意識のうちに、
「美しさの基準」にさらされています。
SNSを開けば、見ようとしなくても、
整った顔立ちの人たちがたくさん目に入り、
「こうでなければ愛されない」
という本当はありもしないメッセージを、
知らないうちに受け取ってしまっています。
特に恋をしているときは、
心が無防備になっています。
社会にあふれるルッキズム
(外見至上主義)の波をまともに受けてしまい、
「基準を満たしていない自分には価値がない」
と、誤った思い込みを抱えやすくなるのです。
あなたが自信を持てないのなら、
それはあなたのせいではありません。
外の世界のノイズが少し大きすぎて、
心が疲れてしまっているだけなのです。
無理に変わらなくていい。そのままのあなたで恋をするための心構え
不安になっているときには、
つい「もっと可愛くならなきゃ」とか、
「相手のタイプに近づかなきゃ」と、
自分を別の誰かに変えようとしてしまいます。
でもきっと、自分を否定し続ける恋では、
いつか心が息切れしてしまいます。
そのままのあなたで恋をするために、
少しだけ「見方」を変えてみましょう。
「タイプじゃない」は、「好きにならない」という意味ではありません
心理学の視点から見ても、
恋愛における「好き」という感情は、
顔のパーツの配置や、
特定の条件だけで決まるものではありません。
人は、何度も顔を合わせたり、
言葉を交わしたりするうちに、
相手に対する親しみや好意を抱くようになります。
これを単純接触効果
(ザイアンス効果)と呼ぶこともありますが、
難しく考える必要はありません。
「一緒にいて居心地がいい」
「笑った顔がなんだか安心する」といった、
目に見えない空気感や温度感が、
少しずつ相手の心を動かしていくのです。
相手の「タイプ」に合っていないからといって、
恋が始まらないわけではありません。
むしろ、タイプではなかったのに、
いつの間にか目で追ってしまう、
そんな存在になっていくパターンの方が、
恋愛においてはとても自然なことなのです。
魅力は、静止画ではなく「動く姿」に宿るもの
自分の顔に自信がないとき、
私たちはよく鏡や写真の、
「静止画」を見て落ち込んでしまいます。
でも、誰かがあなたに惹かれるとき、
彼らが見ているのは、
写真のように止まったあなたではありません。
嬉しそうに笑うときの表情のやわらかさ。
一生懸命に話を聞くときの、真剣なまなざし。
ふとした瞬間に見せる、少し照れたような仕草。
声のトーンや、言葉の選び方。
人間の魅力は、
動いている姿のなかに宿ります。
あなたが「ここはダメだ」
と、思っているパーツであっても、
相手から見れば、
愛おしい個性として映ることがあります。
自分の顔をパーツごとに、
切り取って採点してしまうことは、
もう終わりにしてもいいかもしれません。
コンプレックスを克服しなくても、恋はできる
自分のことを好きになれないと、
人からも愛されない。
そんな言葉を聞いて、
さらに落ち込んでしまうことはないでしょうか。
それはもちろん自己肯定感が、
高いに越したことはないかもしれません。
でも、自分の顔のコンプレックスを、
すべて克服してしまってから、
すっかり自信に満ちた状態にならなければ、
恋愛をしてはいけないなんて、
そんなふざけた決まりはありません。
自信がないまま、不安なまま、
コンプレックスを抱えたままでも、
恋はできます。してよいのです。
「自分の顔はあまり好きじゃないけれど、あなたの前で笑う自分は少し好きかもしれない」
そんなふうにゆっくりと、
自分を受け入れていけばいいのです。
無理に前向きにはならなくとも、
まずは「自信がない自分」を、
許してあげるところから、
始めてみてもよいかもしれません。
自信がない夜を優しくやり過ごす、心と体のセルフケア
好きな人の言動が気になったり、
自分の容姿がどうしても嫌になってしまったり。
考えすぎてしまう夜には、
心を休めるための時間が必要です。
ここからは、張り詰めた気持ちを緩めるための、
具体的なセルフケアのヒントをお伝えします。
鏡を見る時間を少しだけ減らしてみる
自分の顔に自信がなくなっているときは、
無意識のうちに何度も鏡を見て、
むりやり欠点を探してしまいがちです。
そして見れば見るほど、
気になる部分は拡大されて見えてしまいます。
そんなときには、物理的に、
鏡を見る回数や時間を減らしてみましょう。
メイクをするときや、
身だしなみを整えるとき以外は、
鏡からそっと離れてみてください。
部屋においてある姿見などであれば、
布をかけたり、裏返しておけばよいのです。
自分の外見を監視するのをやめるだけで、
心にかかっていた圧迫感が、
ふっと軽くなるのを感じられるはずです。
セルフコンパッション(自分への思いやり)を取り入れる
セルフコンパッションとは、
大切な友人に向けるようなやさしさや思いやりを、
自分自身に対しても向けてあげることです。
もし、あなたの大切な友達が、
「好きな人のタイプじゃないから、私なんてダメだ」
と言いながら泣いていたら、
あなたはどう声をかけるでしょうか。
「そんなことないよ、あなたは十分素敵だよ」
「そのままのあなたがいいんだよ」と言って、
やさしく抱きしめるのではないでしょうか。
そのやさしい言葉を、
どうか自分自身にもかけてあげてください。
「タイプじゃなくて不安だったね」
「自信が持てなくて苦しかったね」
そうやって自分の感情を否定せずに、
ただ静かに寄り添う言葉を心の中でつぶやくだけで、
張り裂けそうだった心が、
少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
好きな人ではなく、「自分」を主語にして感情を書き出す
恋の不安に飲み込まれているときは、
自分の頭の中が、
「彼(彼女)はどう思っているだろう」という、
相手を主語にした思考でいっぱいになっています。
そんなときは、紙とペンを用意して、
「自分」を主語にして、
今ある気持ちを実際に書き出してみましょう。
「私は今、悲しい」
「私は、自信がなくて不安を感じている」
「私は、もっと安心したい」
ただそれだけを、
素直に文字にしていきます。
相手の気持ちを変えようとするのではなく、
自分の気持ちをそのまま、
認めてあげるための小さなワークです。
言葉にできない気持ちがあるときに、
文字として書き出して整理することで、
心に静かな余白が生まれます。
気持ちを書いて消すだけのページを、
このサイトの中にも用意してあります。
気持ちを書き出すための場所 – 恋、どう思う?
心地よい手触りや香りで、体を安心させる
心が「見えない不安」でいっぱいのときは、
実際にさわれる自分の体の感覚を使って、
「今、ここにある安心」を、
取り戻してみるのが効果的です。
そこにある温かいお茶を、
両手で包み込むようにして飲んでみる。
お気に入りの香りのハンドクリームを、
ゆっくりと手に馴染ませてみる。
肌触りのいい、
ふかふかのブランケットにくるまる。
思考が回り続けて止まらないときは、
頭で解決しようとするのを一度お休みして、
体の五感を満たしてあげてください。
体が先に安心することで、
心もつられて少しずつリラックスしていきます。
恋するあなたへ。少しずつ気持ちを整理していくためのヒント
恋をしていると、
分からなくなる気持ちがあります。
自信がなくなって、自分の顔も、性格も、
すべてがダメに思えてしまう夜もあるでしょう。
でも、あなたが今、誰かを真剣に想い、
傷つくことを恐れながらも、
それでも心を開こうとしているその姿は、
とても尊くて、美しいものです。
相手の「タイプ」という小さな枠組みの中に、
あなたという豊かで魅力的な人間を、
無理やり押し込める必要はありません。
顔の形や、目の大きさや、背の高さ。
それらはあなたを形作るほんの一部に過ぎません。
自信がないときは、
無理に自信を持とうとしなくて大丈夫です。
「今はちょっと、自分のことが好きになれない時期なんだな」と、
そのままの気持ちを受け止めて、
心を休ませてあげてください。
恋に正解はないけれど、
気持ちを整理することはできます。
もしまた、不安でどうしようもなくなったら、
深呼吸をして、温かいものを飲んで、
自分にやさしい言葉をかけてあげてください。
このサイトは、恋愛に悩んだときに、
自分の気持ちを整理して、
落ち着いて考えることを手伝う場所です。
あなたがあなたの歩幅で、
やさしい気持ちで恋と向き合えることを、
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