恋人よりも仕事を優先しないといけないとき

自分の気持ち

いま、あなたは、
とても疲れているかもしれません。

やらなければならない仕事が山積みで、
けれども頭の片隅には、
ずっと待たせてしまっている、
大好きな恋人の顔が浮かんでいる。

「また会えなくなっちゃった、ごめんね」

そうメッセージを送るたびに、
胸の奥がぎゅっと苦しくなる。

本当はもっと一緒にいたいのに。
もっと笑顔を見たいのに。

仕事に行かなければならない自分と、
恋人を悲しませたくない自分。

そのふたつの間で身動きがとれなくなり、
深い罪悪感に沈んでしまうことは、
決して珍しいことではありません。

そしてどうか、
そんな自分を責めないでください。

あなたは決して、恋人を大切にしていないわけではありません。

大切に想っているからこそ、
とても忙しい状況下にあって、
これほどまでに心を痛めているのです。

恋に正解はありません。
すぐに状況を変える魔法の言葉もありません。

けれど、
あなたのその苦しい気持ちを整理して、
少しだけ心を軽くすることはできます。

このコラムは、
恋人よりも仕事を優先せざるを得ず、
自分を責めてしまっているあなたの心に、
そっと寄り添うために書くものです。

解決策を探して焦るのではなく、
まずはここで心を休めてください。

絡まってしまった感情を、
一緒にゆっくりとほどいていきましょう。


なぜ、こんなにも申し訳なく感じてしまうのでしょうか

今はなによりも、
仕事を頑張らなければならない。

そういった状況は生活の中で、
多くの人に訪れるものです。

だから頭では、
「いまだけは仕方がない」
そう分かっているはずなのに、
どうしても罪悪感が消えないとき。

その痛みがどこから来ているのかを、
まずは静かに見つめてみましょう。

「大切にしていない」と誤解されることへの怖さ

罪悪感の根底にあるのは、
なんといっても「愛情」です。

あなたは恋人のことが大好きで、
相手にも「愛されている」と感じて、
だから安心していてほしいと、
願っているのだと思います。

それなのに現実では、
会う時間をぎりぎりまで削り、
連絡の頻度を減らしてしまうことで、
「自分の優先順位が下がったのではないか」
と相手を不安にさせてしまうのが怖いのです。

言葉で「大切だよ」と伝えても、
行動が伴っていないように見えてしまう。

そのギャップが、あなた自身の心を苦しめます。

本当は誰よりも大切にしたいのに、
その気持ちがまっすぐに伝わらない、
そんなもどかしさがあなたに、
「申し訳ない」という感情を抱かせるのです。

完璧な恋人でありたいという自分への期待

このような悩みを持っているあなたは、
きっと、とても優しくて、
責任感の強い人なのだと思います。

仕事では期待に応えたいし、
恋愛でも相手をたくさん笑顔にする、
理想的、完璧な存在でありたい。

無意識のうちに、
自分自身に対して高いハードルを、
設けてしまっているのかもしれません。

ですが、すべての期待に、
同時に応え続けることは、
誰にとっても不可能だと言えます。

仕事の波が激しい時期に、
恋愛にも同じだけのエネルギーを注ぐことは、
ムリして一時的にだけはできても、
ずっとできることではありません。

だから「できていない自分」を見て、
そこだけで責めてしまうのではなくて、
「いま、できる限りのことをやっている自分」を、
まずは認めてあげてください。

あなたはすでに、悩むほど頑張っています。


仕事と恋人は、天秤にかけるものではありません

「仕事と私、どっちが大事なの?」

ドラマや映画でよく耳にするこの言葉は、
現実で多くの人を苦しめてきました。

しかし心の中で、
このふたつを天秤にかける必要はありません。

どちらもあなたの人生を構成する大切なもの

仕事は、あなたの生活を支えて、
社会とのつながりを持ちながら、
自己を実現するための大切な場所です。

一方で恋人は、あなたの心を温め、
安心を与えてくれて、
生きる喜びを分かち合う、
そんなかけがえのない存在です。

役割がまったく違うふたつを比べて、
どちらかを選ぶことなどできません。

いま、あなたが仕事を優先しているのは、
仕事のほうが恋人よりも「好きだから」でも、
「大切だから」でもないはずです。

ただ単に、いまこの瞬間に、
仕事のほうに時間とエネルギーを、
割かなければならない事情があるだけです。

気持ちの大きさと、
費やしている時間の長さは、
必ずしもイコールではありません。

そのことを、
あなた自身がしっかりと信じてあげてください。

物理的な距離と、心の距離は違います

会えない時間が長くなると、
そのまま心まで離れていってしまうのではないかと不安になるものです。

たしかに今は、
お互いの顔を見て話す時間は、
減っているかもしれません。

それでも、
物理的な距離が開いたからといって、
愛情が減るわけではないのです。

忙しい仕事の合間に、
「いま何をしているのかな」
と、相手を思い浮かべる瞬間だったり。

帰り道に、夜空を見上げながら、
「次に会えたらどこに行こうか」
と、想像を膨らませる時間も。

そんな見えない時間の中にも、
あなたの愛情は確実に存在しています。

目に見える時間の長さだけで、
あなたの愛情の深さを測ることはできないのです。


罪悪感で心をすり減らさないための、優しい考え方

自分を責め続けることは、
あなたの心からどんどん、
感情のエネルギーを奪っていきます。

そうして心が疲れ果ててしまうと、
いざ恋人と会えたときにも、
せっかく純粋に楽しむ余裕が、
なくなってしまうかもしれません。

そうならないために、
少しだけ気持ちの向きを変えてみましょう。

罪悪感は、あなたが優しい証拠です

もしもあなたが、
相手のことをまったく気にかけていなければ、
罪悪感など抱くはずがありません。

「申し訳ない」と、
胸を痛めているその事実こそが、
あなたが恋人を深く想い、
その関係を大切に守ろうとしている、
何よりの証拠であると言えます。

罪悪感が湧き上がってきたときは、
それを無理に消そうとする必要はありません。

「私はこんなにもあの人のことが好きなんだな」
「だから、寂しい思いをさせることが辛いんだな」

そんなふうに、痛みの奥にある、
自分の愛情に気づいてあげてください。

自分を責める刃を、
自分を認める優しさへと変えていくのです。

いまの頑張りは、ふたりの未来につながっている

目の前の仕事に集中することは、
決してふたりの関係を、
犠牲にしているわけではありません。

あなたが一生懸命に働き、
自分の足でしっかりと立つことは、
結果的にふたりの関係に安定をもたらします。

現実的な話として、
「仕事がある」ということが、
人生の糧になることはやはり多いです。

いまは苦しい時期かもしれませんが、
この時期を乗り越えた先のあなたは、
たくさんの点でより強く、
より魅力的な人になっているはずです。

そしてその成長は、
大好きな恋人と、
この先も長く一緒に歩んでいくための、
大切な土台になります。

「いまは、ふたりの未来を安心できるものにするための準備期間なんだ」

そう考えることで、
少しだけ前を向くことができるかもしれません。


恋人に、いまのあなたの気持ちをどう伝えるか

あなたの心の中にある愛情や葛藤は、
言葉にしなければ相手には伝わりません。

罪悪感に押しつぶされそうになると、
つい連絡を避けてしまったり、
謝ってばかりになったりしてしまいます。

しかしそんなときに、
ほんの少し言葉の選び方を変えるだけで、
ふたりの関係はもっと温かいものになります。

「ごめんね」の代わりに「ありがとう」を伝える

「会えなくてごめんね」
「忙しくてごめんね」

罪悪感があると、どうしても、
謝罪の言葉ばかりを口にしてしまいます。

しかし、謝られ続けると相手も、
「自分が負担になっているのかな」と、
悲しい気持ちになってしまうことがあります。

謝りたくなったときは、
その言葉を「ありがとう」に変換してみてください。

「忙しい時期を理解して待っていてくれて、本当にありがとう」
「応援してくれているおかげで、今日も頑張れたよ、ありがとう」

相手はきっと、
あなたを責めたいわけではなく、
あなたの力になりたいと願っているはずです。

待っていることへの感謝を伝えられると、
相手の心のなかでも「自分の存在があなたの支えになっている」と感じられて、
安心することができるでしょう。

短くても、心を通わせる瞬間のつくり方

まとまった時間がとれないときには、
ほんの数分でもよいので、
相手の存在を感じられる瞬間を、
意図的につくってみてください。

仕事の帰り道に、
3分だけ電話をかけて声を聞くとか。

朝起きたときに、
「おはよう、今日も行ってきます」
とだけメッセージを送る。

スタンプひとつ、
5秒で済む交信でもよいのです。

大切なのは、
「どんなに忙しくても、あなたのことを思い出している時間があるよ」
というサインを送ることです。

休日のデートができなくても、
日々の小さな瞬間に、
愛情を散りばめることができます。

完璧な恋人でいる必要はありません。

完璧でなくても、
いまのあなたにできる精一杯の愛情表現を、
少しずつ届けていきましょう。


頑張っている自分を、まずはあなたが抱きしめて

それほど仕事に忙しい状況下では、
恋人のことを思いやるのと同じくらい、
もしかしてそれ以上に、
いまはあなた自身の心をケアすることが必要です。

疲れ切った心では、
誰かに優しくすることはできません。

感情を押し殺さず、ただ受け入れる

仕事のプレッシャーと、
恋愛への罪悪感の板ばさみ。

ふたつの重い荷物を背負いながら、
あなたは今日まで歩いてきました。

そうして頑張ってきた日々のなかで、
「もっと頑張らなきゃ」、
「弱音を吐いちゃいけない」と、
自分の感情に蓋をしてしまっていませんか。

悲しいときは、
悲しいと感じていいのです。

寂しいときには、
寂しいと認めていいのです。

感情には、良いものも悪いものもありません。
ただそう感じたものがあるだけです。

まずは、
「私はいま、とても辛いんだな」と、
自分の素直な気持ちに、
寄り添ってあげてください。

誰にも見られない場所で、
ゆっくりと深呼吸をして、
張り詰めた糸を少しだけ緩めましょう。

心の余裕を取り戻すための休息を

あなたがいま一番優先すべきなのは、
実は仕事でも恋人でもなく、
あなた自身の「休息」かもしれません。

睡眠時間を削って頑張る日々、
心をすり減らしたままでは、
どのような決断も、どのような言葉も、
どこか無理をしてしまいます。

1日5分でも構いません。

温かいお茶を飲む、
好きな音楽に目を閉じて耳を澄ませる、
何も考えずにぼーっとする。

そんな、心を空っぽにする時間を持ってください。

あなたがあなた自身の心に、
休息を取ってもいいよと許可することが、
結果的には大好きな恋人に、
笑顔を向けるための最短の道のりになります。


自分の気持ちを整理して、ゆっくりと進みましょう

「恋人よりも仕事を優先しないといけない」

そんな忙しい状況は、
あなたの心を大きく揺さぶり、
不安や迷いを引き起こします。

すぐにすべてが解決して、
毎日笑顔で過ごせるようになるわけではないかもしれません。

それでも、
自分の気持ちと向き合えたあなたなら、
きっと大丈夫です。

仕方のない状況の中ででも、
恋人に罪悪感を抱くほどの、
深い愛情を持っているあなたなら、
この忙しい時期を越えたとき、
恋人との間にさらに強い絆を築くことができるはずです。

あなたは自分の人生の責任を、
しっかりと背負って歩いています。

恋人より仕事を優先しなければならない自分を、
それ以上責める必要はありません。

あなたの心が少しでも軽くなり、
また明日を穏やかに迎えられますように、
私がここから応援しています。