この人と一緒にいても、寂しいと感じるとき

距離感・関係性

好きな人のそばにいる。
なのに、なんだか寂しい。

そんな感覚を、うまく言葉にできなくて、
ひとりで抱えていませんか。

「好きなのに、なんで寂しいんだろう」
「自分がおかしいのかな」
「相手のことが、本当は好きじゃないのかな」

そんなふうにして、
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

でも、「一緒にいても寂しいと」感じることは、
おかしいことでも悪いことでもないし、
実はたくさんの人が経験していることです。

このコラムでは、
「一緒にいるのに寂しい」という気持ちが、
どこから来るのかを、整理していきます。


「一緒にいるのに寂しい」その気持ちの正体

寂しさには、いくつかの種類があります。

物理的に「ひとりでいること」から感じる寂しさ。
そして、誰かのそばにいるのに感じる寂しさ。
この二つは、まったく別のものです。

後者の寂しさは、
「心がつながっていない感覚」から、
生まれることが多いといわれています。

体は隣にいても、気持ちや言葉が届いていない、
あるいは受け取ってもらえていない、
そういう感覚が、寂しさとして現れてきます。

その寂しさは「もっとつながりたい」という、
あなたの心の声かもしれません。


こんな気持ちになっていませんか

具体的にどんな場面で、
そう感じるかを考えてみましょう。

  • 話しかけても、相手がスマホから目を離さない
  • 気持ちを伝えようとしたら、軽く流された
  • 一緒にいるのに、会話が少ない
  • 悩みを打ち明けたのに、うまく受け取ってもらえなかった
  • 相手が楽しそうにしているのに、自分だけ置いていかれた気がした

こういった場面が重なると、
「この人と一緒にいても、寂しい」という気持ちが、
少しずつ積み重なっていきます。

ひとつひとつは小さなことでも、
積み重なると心が疲れてきてしまいます。

それぞれのことの裏に、
相手の事情があったのかもしれませんが、
そのときには寂しさを和らげる理由にはならなかったはずです。


寂しさが生まれる、いくつかの理由

気持ちの受け取り方が、すれ違っている

「愛情の伝え方」は、人によって異なります。

言葉で伝えたい人もいれば、
行動で示したい人もいるでしょう。

一緒にいる時間を大切にしたい人や、
プレゼントで気持ちを表現する人もいます。

あなたが「もっと話したい」と思っているときに、
相手は「一緒にいるだけで十分伝わっているはず」
と思っていたかもしれません。

どちらにも悪気はないけれど、
結果的にはすれ違ってしまったという場合もあります。

どちらかが間違っているわけではなくて、
ただ「伝え方が違っていた」ということです。

言いたいことが言えていない

好きな人に、本音を言うのは難しいことです。

重いと思われたくない、嫌われたくない、
揉めたくないなど、そういう気持ちから、
本当に言いたいことを飲み込んでしまうことがあります。

でも、言えなかった言葉は、消えません。
心の中に残っていて、
寂しさや不満として積み重なっていきます。

これに加えて、
「話したけどちゃんと聞いてくれない」時にも、
同じことが言えるでしょう。

話をちゃんと聞いてくれたか、
感情を打ち明けたときに、
しっかりと受け止めてくれたか。

受け止めてくれたことの積み重ねは、
相手に対する信頼になっていきますが、
そうでなければ、
「この人にはわかってもらえない」という、
寂しさの積み重ねになっているかもしれません。

「一緒にいる時間」の質が変わってきた

付き合いが長くなると最初のころにあった、
「ときめき」や「緊張感」が薄れてきます。

ドキドキがいつまでも続くのは稀ですから、
それ自体は自然なことですが、
「一緒にいることが当たり前」になりすぎて、
お互いに意識を向け合う時間が減っていくこともあります。

体は同じ空間にいるけれど、
心はそれぞれ別のところを向いている、
「一緒にいるだけ」という状態です。

そういう状態の中では、
寂しさが生まれやすくなります。

自分自身が疲れている

寂しさが生まれるのは、
必ずしも相手のせいだけではありません。

自分自身が疲れていたり、
余裕をなくしていたりするときも、
同じ状況なのに「寂しい」と感じやすくなります。

仕事や日常生活でストレスを抱えているとき、
人はより多くの「つながり」を求めることがあります。

相手の接し方が変わっていなくても、
自分からの求める量が増えているときには、
そのギャップから寂しさが生まれることもあります。


寂しさを感じること自体は、悪いことじゃない

「この人と一緒にいても寂しい」という気持ちは、
=その関係が終わりだということではありません。

関係をより深めたいと思っているから、
今の距離が寂しく感じるのかもしれない。

好きだからもっとつながりたい、
好きだからもっと気持ちを分かち合いたい、
そんな前向きな原因から生まれる寂しさがあるからです。

寂しさを感じることができるのは、
それだけ相手のことを大切に思っているとも言えます。

「話を聞いてくれないから寂しい」は、
「話を聞いてくれたから嬉しい」と、
同じことを表すものではないでしょうか。

その関係の中で嬉しさを経験してきたから、
寂しさを察知することができるのです。

友達が話している、
恋人についての愚痴がのろけに聞こえるように、
寂しさを感じている人は、
嬉しさを知っている人だとも言えます。


「寂しい」という気持ちと、向き合ってみる

自分の気持ちを否定しない

なにかあって寂しくなった時に、
こんなことで寂しいと思うのは、わがままかな、
そう思ってしまう必要はありません。

その時に寂しいと感じているなら、
それはその時のあなたの本当の気持ちです。

寂しいと思った気持ちを、
まず自分で受け止めてあげてください。

どんなときに寂しくなるか、書き出してみる

「寂しい」という感覚についてずっと考えていると、
その答えがなかった時には、
モヤがかかったような状態が続いてしまいます。

そんな時には、
「どんな場面で、どんな気持ちになったか」
を書き出してみることで、
その気持ちが少し整理されることがあります。

たとえば:

  • 「話しかけたのに、スマホを見たまま返事をされたとき」
  • 「悩みを話したら、すぐ解決策だけを言われて、話を聞いてもらえなかった気がしたとき」
  • 「帰ってきても、特に何も言われなかったとき」

実際に書き出してみると、
「こういうときに寂しくなるんだ」と、
気づけることがあります。

気づくことが、次のステップへの入り口になります。

相手に伝えることを、考えてみる

自分の気持ちが少し整理できたら、
相手に伝えることを考えてみましょう。

このときには、
「あなたが〇〇するから寂しい」という言い方よりも、
「私は〇〇なとき、寂しいと感じる」、
という伝え方のほうが、
相手も受け取りやすくなります。

相手を責めているのではなく、
自分の気持ちを教えたいのだと伝わりやすくなるからです。

全部をうまく言えなくても、
「ちょっと聞いてほしいことがある」と、
そのひと言から始めるだけでもいいのです。

「今はまだ言えない」なら、それでもいい

もちろんタイミングや状況によっては、
今すぐ話すことが難しいこともあります。

そういう時には無理に動かなくても、
「いつか話してみたい」という気持ちを、
心の中に持っておくだけでも違います。

あなたにも、相手にも、
それぞれのペースがあるでしょうから、
焦ってアクションを起こす必要はありません。


相手のことを、責めなくていい

一緒にいるのに寂しいと感じると、
「この人は私のことを大切にしていないのかな」と思いたくなることがあります。

でも、多くの場合で相手は、
「寂しくさせようとしている」わけではありません。

悪気なくすれ違っているだけだったり、
まだあなたの気持ちに気づいていないだけ、
ということが多いのです。

あるいは、
「相手の中ではそれでいいと思っていた」
ということではないでしょうか。

寂しさを感じたときに相手を責めることは、
自分を責めることにも必ずつながります。

相手を責めることも、自分を責めることも、
どちらも必要ありません。

ふたりの間に「伝わっていないこと」があるだけかもしれない。

そんな可能性があるということを、
あなたを責めないために知っておいてください。


「変わらないかもしれない」と感じるときは

ここまで読んで、
「でも、うちの関係は変わらないかもしれない」
と感じた人もいるかもしれません。

長い間寂しさを感じてきた人、
何度も伝えてみたけど届かなかった人、
それでもう疲れてしまった人であれば、
それはとても苦しい経験です。

そのような場合には、ひとりで抱えず、
カウンセラーや専門家に話してみることも、
ひとつの選択肢です。

誰かに話すことで、見えてくるものがあります。
助けを求めることは、弱さではありません。
自分を守るのにつながることです。


あなたの気持ちは、正しい

「一緒にいるのに寂しい」という感覚は、
複雑で、言葉にしにくいものです。

あなたが悪いわけでも、
相手が悪いわけでもないかもしれないから、
感情のもっていきどころも、
なかなか見つからないかもしれません。

それでも大切なのは、
その寂しさに気づいていることです。

そして、「もっと、つながりたい」と思っているのを、自分で認識していることです。

嫌いだから寂しいのではなくて、
好きだから寂しいということであれば、
それは、まだあなたが相手のことを、
ちゃんと大切にしている証でもあります。